循環器内科
循環器内科
循環器内科では、狭心症・心筋梗塞、弁膜症、心不全、不整脈などの心臓の病気や、動脈瘤(りゅう)などの大動脈疾患、頸動脈や下肢動脈硬化など血管の病気の診療を行います。
胸が痛い、息切れ、動悸、めまい、立ちくらみ、むくみ などの症状でお困りの場合は、早期の診断が大切ですので、まずご相談ください。循環器疾患のリスクとなる生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)にも対応しております。
当院で診察した結果、より詳しい検査や高度な治療が必要な場合は、総合病院や大学病院へご紹介させていただきます。
動脈硬化からくる狭心症や心筋梗塞の可能性が考えられます。症状の詳細を聞き、心電図や超音波検査、血液検査などを行い、必要に応じて精密検査のできる病院にご紹介いたします。
運動をすると全身に酸素をたくさん供給しないといけません。全身への酸素供給が低下していると運動時に酸素不足となるので息が切れます(呼吸回数が増える)。このような状態は、次の①~③の状態で起こります。
①心臓が弱っていて血液を全身に十分遅れていない。→ 心不全
②肺で十分に酸素を取り入れられていない。→ 呼吸器器疾患
③酸素を運搬する赤血球の量が足りていない。→ 貧血
採血やレントゲン、心臓超音波検査などの検査を行い原因を検索していきます。
一般的に狭心症は労作時(運動したとき)に起こりますが、なかには珍しい種類の狭心症があり、冠攣縮性狭心症といいます。
これは冠動脈が突然痙攣して血管が縮み上がってしまい、一時的に冠動脈が細くなる病気です。
アジア人に多いと言われており、特に明け方に発作が起こりやすい方が多いです。
心不全が進行すると全身に水が溜まります。横になると体の末端の水分が肺に集まってきます。これにより息苦しい症状が出てきます。
さらに進行すると寝ていられなくなり、座ったままで夜を明かすこともあります。
心臓は常に一定のリズムで拍動していますが、運動をしていないのに突然脈が速くなったり、逆に極端に脈が遅くなったり、脈のリズムが乱れたりすると不整脈が出ている可能性があります。
不整脈の診断には心電図が必要で、状況によっては24時間の心電図検査(ホルター心電図)が必要な場合もあります。
失神の原因で多いものとして、脳に血液が行かなくなる状況が挙げられます。脳に血液が行かなくなる状況は色々な病気で起こりますが、短時間で意識が戻る場合は自律神経失調や不整脈(極端に脈がゆっくりとなる)が原因となっている場合が多いです。
高血圧の原因の多くが加齢による動脈硬化ですが、まれに血圧を上げるホルモンが異常に分泌している病気が隠れている場合があります。
●原発性アルドステロン症
●褐色細胞腫
●腎動脈狭窄症
といった病気であり、もとの病気を治療することで高血圧が治ることもあります。
足のむくみは様々な原因で起こり、単に長時間立っていただけれも起こります。一方で下記の内科的疾患でも起こり、その場合は投薬などの治療が必要になってきます。
●心不全
●腎機能障害
●静脈血栓症
●甲状腺機能低下
●ビタミン不足(ビタミンB1)
健診で指摘される心電図異常の多くは経過観察可能ですが、なかには専門的治療が必要な不整脈が隠れていることがあります。心電図異常を指摘された際は循環器専門医にご相談ください。
聴診で心臓の雑音が聞こえた場合、心臓弁膜症の可能性があります。心臓には4つ部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)があり、心室の入口、出口には弁(扉のようなもの)が付いています。心臓弁膜症はこの弁の調子が悪いものをいい、開きが悪いのか?閉じが悪いのか?どの弁に問題があるのか?によっていくつか種類があります。心臓超音波検査である程度のことが評価できますが、血液検査や心電図も必要であり、場合によっては専門の病院での精密検査がいることもあります。
高血圧、糖尿病、コレステロール高値の状態を放置すると動脈硬化が徐々に進行します。
残念ながら一度進んでしまった動脈硬化を元に戻す薬は現在はありません。緊急性が高いものではありませんが、昔と比べて良いお薬もどんどん開発されています。ぜひご相談ください。
動脈硬化などが原因で冠動脈の血流が十分でなくなると、心臓が酸素不足となり、痛み、圧迫感、絞扼(こうやく)感(しめつけられる感じ)などの胸部症状が現れます。ちょうど心臓の筋肉の筋肉痛のような状態です。これが狭心症の発作です。
最初のうちは、心臓がたくさんの酸素を必要とする運動時だけに症状が出ることが多く(労作性狭心症)、休むと治まることが多いのですが、病気が進行すると安静時にも症状が現れるようになります。
また、狭心症の中には、冠動脈に動脈硬化がなくても、冠動脈自体が痙攣・収縮(攣縮=れんしゅく)し血流が悪くなり、狭心症のような症状が出る場合があります。このような状態を「冠攣縮性狭心症」といいます。これは血管の中は動脈硬化によって細くなっていないことが多いので、血流の低下(発作)は運動時・安静時に関係なく起こります。特に朝方の発作が多く、「朝方胸が痛くて目が覚めた」という症状があれば冠攣縮性狭心症の可能性が考えられます。
胸部症状を自覚するときには、早めに検査を受けることが大切です。
動脈硬化で冠動脈の内腔が狭くなったところに、急に血液の小さな塊(血栓)が詰まって血管を塞いでしまうと、酸素が供給されなくなった心筋がダメージを受ける心筋梗塞が発症します。梗塞とは細胞が”窒息死”した状態のことを言うので、心筋細胞が窒息死することを心筋梗塞といいます。
検診等で心臓に雑音がある、労作時の呼吸苦、かぜ様症状、下肢のむくみ、全身倦怠感などの症状。時に失神発作などで発見されます。治療は、軽症~中等症までは、薬物治療(利尿剤、強心剤)が中心となります。しかし、病状が進んでくると、徐々に心臓の筋肉(心不全や不整脈)や腎臓、肝臓の機能など全身の臓器を障害して進行し、お薬ではコントロールできなくなり、手術が必要となります。
うっ血性心不全とも言われる心不全とは、心臓が全身に必要量の血液を送り出すことができなくなった状態を指します。動脈を通じての全身への血液供給や静脈から心臓への血液の汲み上げが障害されるため、疲れやすい、顔・下肢がむくむ、食欲がなくなるなどの症状がおこります。また、多くの場合、肺に血液が滞り、肺での酸素交換が障害され、軽作業でも息切れを感じます。
動脈硬化症とは「動脈が硬くなる」ことです。動脈が硬くなると血管の中が狭くなったり、詰まったりしてしまい危険な状態に陥ります。血管の内側が狭くなると血液の流れが悪くなり、臓器や組織が正しく機能しなくなります。さらに血管が詰まると臓器や組織に血液が流れず、壊死してしまうこともありますので注意が必要です。
心臓は通常1日10万回程度、規則的に拍動し、全身に血液を送っています。不規則に心臓が動いてしまう状態や、正常な範囲を超えた心拍数になる状態を大きくまとめて不整脈と言います。
不整脈には多くの種類があり、放置してよいものから、無症状であったとしても命に関わるような危険なものまで、さまざまです。
心房細動という不整脈は脳梗塞を引き起こす可能性があり、正しい診断と治療が必要です。